菖蒲谷森林公園の山中にあるマウンテンバイクコース。ジャンプなど難易度の高いゾーンもあり、愛好家から人気を集める=いずれもたつの市揖西町菖蒲谷
菖蒲谷森林公園の山中にあるマウンテンバイクコース。ジャンプなど難易度の高いゾーンもあり、愛好家から人気を集める=いずれもたつの市揖西町菖蒲谷

 26日開幕のパリ五輪の自転車女子マウンテンバイク(MTB)に、たつの市出身の川口うららさん(23)が出場する。小学生時代にMTB競技の面白さを知ったり、選手として腕を磨いたりした舞台が、市中部にある菖蒲谷(しょうぶだに)森林公園(同市揖西町菖蒲谷)だ。東京を拠点に活動する現在も「大会前の調整に使うことが多い」という。20年以上ぶりとなる同市出身のオリンピアンを育んだ公園を訪れた。(西竹唯太朗)

 県道姫路上郡線から約5キロ北上し、携帯電話の電波も届きにくい山中に差しかかると、むき出しになった山肌が幾筋も斜面に沿って延びていた。「道」であることは、遠目からもはっきりと見て取れる。

 「もともとは普通の山でしたが、今では県外からも多くの人が訪れるようになりました」。コース管理を担う龍野マウンテンバイク協会代表の小野良太さん(53)が笑顔で教えてくれた。

 総延長が約10キロにおよぶコースは、自然の地形を利用した上級者向けのジャンプゾーンや、小さなこぶが連なる初心者向けの直進路など、多彩な特徴を備える。川口さんも「海外のコースに似ており、貴重な練習場」と語る。