行方不明者の発見に貢献したとして、兵庫県警福崎署は、福崎町西治の牛尾一幸さん(69)と同町消防団西治分団に感謝状を贈った。防災無線を聞いた住民らが自主的に捜索に協力したといい、竹迫博樹署長は「住民の瞬発力の良さや助け合いの精神に感謝」と述べた。
6月12日の夜、福崎町内の80代女性が散歩から帰ってこないと近くに住む家族から同署に相談があった。同日午後9時過ぎ、同分団へ捜索を要請。防災無線の放送が流れると、近隣住民もすぐに動き始めた。
牛尾さんは女性と面識があり、家族から聞いた散歩コース周辺を探した。真っ暗な畑沿いを進むと、遠くから「おーい」という声が聞こえた。歩き続けると「帰ったらあかん」と言われ、女性の声だと気づいた。
捜索開始から約1時間後、付近を手分けして探していた団員が畑の中で座り込む女性を見つけた。女性はいつもの散歩コースから足を延ばしたところ、道に迷ってしまったという。
牛尾さんは「(女性の)安心した顔を見られてよかった」。同分団の木村竜也分団長(33)は「今後も訓練を重ね、迅速に対応していきたい」と力強く話した。(喜田美咲)