「主人を捜して」「休みがほしい」
職員からの訴えに幹部は首を横に振った。
佐用町の前副町長、坪内頼男（７３）には、今も残る二つの後悔がある。
豪雨が発生した２００９年８月９日、当時総務課長だった坪内は、町役場で住民らの救助要請や被害報告の電話対応に追われていた。ふと気が付くと、目の前に１人の女性が立っていた。
＜水禍の教訓はいま ～県西・北部豪雨＞(2)あの時、向き合うべきだった。
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