秋深まる11月。兵庫県佐用町で昼夜の寒暖差が生み出す朝霧が濃さを増している。早朝、大撫山(436メートル)頂上近くの展望台(同町長尾)から眼下を望むと、真っ白な雲海が市街地をすっぽり覆う日も。町内外の写真愛好家らが幻想的な光景にレンズを向けている。
冷え込みが強まる秋から冬にかけ、佐用川などが流れる同町内は朝霧が発生しやすいとされる。地元住民らは展望台の見晴らしを良くしようと、シーズン前に周辺を草刈りしている。
今回撮影したのは、冬の始まりとされる「立冬」の7日。この日は夜明け前から雲海が発生し、雲の下には民家の明かりや車のヘッドライトが時折、のぞいた。その後、太陽が昇るにつれ、雲は朝焼けでうっすら黄色く染まった。
30年近く撮影を続ける同町才金の男性(58)は「毎日、雲海の表情は違う。太陽の光や風によって刻々と色や形が変わるのが魅力」と話した。
佐用町商工観光課TEL0790・82・0670(辰巳直之)
























