妹を殺害された経験がありながら、刑務所や少年院を出た人たちの更生支援に取り組むカンサイ建装工業(大阪市)の草刈健太郎代表(53)による講演が、兵庫県市川町西川辺の町文化センターであった。犯罪被害者となった経験や、罪を犯した人の就職先や仲間づくりを支援する「職親プロジェクト」に立ち上げから関わってきた思いを語った。(喜田美咲)
講演は、地域で長年保護司を務めた人らをたたえる「社会を明るくする運動」神崎郡住民大会であった。
草刈さんの妹は2005年、米国人の夫に同国で殺された。妹は米国で夢を追いかけていた。5年に及ぶ裁判に向き合った。
12年、知人から「職親プロジェクト」の受け入れ企業になるよう協力を頼まれた。「なんで俺に頼むんや」と驚いた。犯罪者を許せなかったし、雇って問題を起こされたら会社がつぶれてしまうと思った。
転機は、被害者遺族として少年院で講演をしたこと。そこで出会った18歳前後の少年たちは想像していた「悪ガキ」よりも、はるかにおぼこかった。「カネ稼ぎたいです」「かけ算できません」。体は大きくても心は子ども。草刈さんは「生きる希望を与え、再犯を防ぎたい」と思った。
受け入れた元受刑者の一人はギャンブル依存から抜け出し、仕事を楽しみ、部下を育てる立場になった。一方、12年かけて一人前に育てたと思った子は、再び罪を犯した。親代わりとして裁判所に呼ばれたとき、加害者家族の苦悩を知った。
社会になじめず再び罪を犯すことのないよう、教養を身に付けてもらおうと、少年院に公文式学習を取り入れてもらった。今や法務省のプログラムとして広がっているという。刑務所内で建設業のさまざまな仕事を体験してもらい、自分に合った職種を見つける機会もつくった。
支援しても裏切られることもある。草刈さんは心の折り合いの付け方を「自己成長のためだと思うようにしている」と語る。「(何も持っていない)ゼロの子どもに何を掛けてもゼロになる。自己肯定感や信頼感など、プラスになる土台づくりが大事で、それには地域の人たちが関わっていく必要がある」と呼びかけた。























