足元のペダルを踏むか手元のボタンを押すと、冷たい水が噴き出すウオータークーラー(冷水機)。子どもの頃に学校で喉を潤したことのある人は、多いのではないだろうか。新型コロナウイルス禍で一時は使用を禁止する動きがあったが、近年の猛暑を受け、熱中症対策で、その役割が学校現場で改めて評価されている。一斉に整備を進める自治体もあり、水筒のお茶がすぐになくなる子どもたちの強い味方になっている。(斉藤正志)
加古川市平岡町二俣の平岡南中学校に、9月から使い始めたばかりの真新しいウオータークーラーが、3台並んでいた。
体育大会の練習の日は、生徒の列ができることもあったという。2年生で陸上部の男子生徒(14)は「暑くて、大きな水筒を持ってきても中身がすぐなくなる。これまでは水道の水を飲んでいたけど、ウオータークーラーはいつも冷たいからうれしい」と話した。
同市内では2022年度、中学校1校にあっただけだったが、同市教育委員会は23年度から全小中学校への設置を進める。同年度は全12中学校に整備する予定で、うち8校には9月末までに工事が完了した。
市教委によると、かつてウオータークーラーがあった学校では、高架水槽にためた水を利用していたが、給食調理のない夏休み中に水の使用量が少なくなり、残留塩素濃度の管理などが難しかったという。