尼崎市議の光本圭佑氏
尼崎市議の光本圭佑氏

 偽の領収書などを提出し、政務活動費(政活費)を流用したとして、兵庫県警捜査2課は12日、業務上横領と有印私文書偽造・同行使の疑いで、同県尼崎市の光本圭佑市議(44)=無所属=を書類送検した。光本市議は当時、市議会会派「日本維新の会」の幹事長を務めており、県警は立場を利用し、領収書などを偽造して計約210万円を着服した疑いがあると判断した。

 光本市議を巡っては、市議会事務局が昨年8月、有印私文書偽造・同行使の疑いで刑事告発。告発状によると、2021年8月、パソコンの購入費など約76万円を政活費から支出する際、偽造した納品書と領収書を会派に提出したなどとされる。

 光本市議は13年に初当選し3期目。当時は会派幹事長で、政活費の支出を決定する立場だった。問題発覚を受け、日本維新の会の県組織は昨年6月、光本市議を除名処分とした。

 市議会は同年6月と今年6月に辞職勧告を決議したが、光本市議は辞職しない意向を示した。現在、市民の請求で設置された市議会議員政治倫理審査会による審理が続いている。

 これまでの神戸新聞の取材に光本市議は「政活費の金額のごまかしや、架空請求をしたわけではない」「自ら県警に捜査を依頼したので、全容を解明してもらう」と説明。「警察の捜査結果が出たら、市民に説明したい」と話していた。

 書類送検を受け、光本市議の代理人弁護士は「必要と判断すればコメントする。現時点で予定はない」とし、市議会事務局は「引き続き全面的に捜査に協力していく」とした。

 県内での政活費の不正流用問題では、14年に元県議が架空の日帰り出張を繰り返したことが発覚。15年には神戸市議が虚偽の領収書を添付した収支報告書を作成したことが分かり、いずれも議員辞職している。