一進一退の攻防を繰り広げる「関西対決」で、先に王手をかけたのは阪神だった。プロ野球日本シリーズ第5戦は2日、阪神が終盤の逆転劇でオリックスを破って対戦成績を3勝2敗とし、1985年以来2度目の日本一に向け、残り1勝とした。地鳴りのような大声援を甲子園球場(西宮市)に響かせた虎ファンは、38年ぶりの戴冠を信じてやまなかった。
0-2の八回。阪神の敗色が濃くなる中、球場の空気が一変した。打線の勢いが止まらず一挙6得点。「六甲おろし」の大合唱が響き続けた。昨年10月末、熱烈な虎党だった父を亡くした田村和美さん(52)=京都市=は「お父さんははらはらする展開が好きだったので、天国で喜んでいると思う」と感慨を込めた。
「劣勢でも何かが起こると予感していた」という会社員の増田直祐さん(36)=宝塚市。「ほんとに最高という言葉しか出てこない。この勢いで一気に日本一を決めてくれるはず」と興奮冷めやらぬ様子だった。