ルッキズムを巡るアンケートから抽出したキーワード(ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析 https://textmining.userlocal.jp/)
ルッキズムを巡るアンケートから抽出したキーワード(ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析 https://textmining.userlocal.jp/)

 ルッキズムという言葉が広がっています。外見に基づく差別や偏見のこと。最近では「見た目で人を判断すること」「容姿に言及すること」など多面的な文脈で使われています。ルッキズムに対する考えや容姿を巡る体験談をアンケートで募ると、さまざまな回答が寄せられました。その中からいくつか紹介します(回答は一部要約、省略しています)。

ご意見や体験談は、随時こちらで募っています。

■「爆発ラーメン」と言われた髪

 癖毛でいじめられた方の記事を読みましたが、私もひどい縮毛で自分のことのようでした。特に中学、高校は校則違反と怒られたりたたかれたり、理不尽なことだらけでした。今でこそブラック校則問題とか言われてますが、当時は毎年担任に親から説明しても、頭髪検査で違反と言われたり、教師から「根性が曲がっているから髪が曲がるんや~」とか暴言を吐かれたり。プールの後は特に悲惨で爆発ラーメンとか言われた。当時はまだ縮毛矯正がなかったし、働きだしてしばらくして、矯正して髪が真っすぐになった途端に周りの人の私に対する扱いがよくなった。お店とかでも同じことが言えます。ただ、のびてくる髪はチリチリなので、定期的に縮毛矯正が必要です。これまでに数百万円かかってます。付合っていた人と結婚の話しになったけど、髪の毛のことがバレたら嫌われるし、遺伝するから別れるしかなかった。最近は国際化も進み、いろいろなルーツの子どもたちもいるので教育機関も頭髪問題を真剣に考えてほしいと思います。(50代女性)

■「サラサラ」への憧れ

 10月5日の癖毛の回を読みました。私自身も癖毛で長年悩んでいます。いじめられることはなかったですが、サラサラの髪にいつも憧れています。髪で自信をなくす気持ちがよくわかります。(20代女性)

■ごみ箱に娘の頭髪

 私の娘も小学校の時、癖毛のことでいじめにあいました。ある日部屋をのぞいたら、ゴミ箱にハサミで切った大量の髪の毛を見つけました。苦しんでいたんだと思います。中学校になる前に「私のことを誰も知らない学校に行きたい」と言われ、その頃引っ越しを考えていたので、違う校区へと引っ越しをしました。ストレートパーマをかけたいと言われたので、美容院へ行きました。今まであまり笑わなかった娘が、顔をくしゃくしゃにして笑っていたのを今でもはっきり思い出します。中学、高校はずっとストレートパーマをかけてました。周りにも同じ人がいることが心強かったようです。大学になって通い始めた美容院で、癖毛を褒めてくれる美容師さんに出会ってからは、ストレートパーマをやめて癖毛をいかす髪形をするようになり、私に初めて「この癖毛が好きになった」と言ってくれたときは涙がでました。癖毛も自分の良い個性だよと言っても、小さい心ではなかなか受け止めることができないんですね。しばらくは娘から目を離すことが出来ないくらい心配な時もありましたが、今は笑いながらそんなことあったかななんて話しています。(50代女性)

■誰を恨んでも仕方がないけど…

 私は極度の縮毛です。サラサラのストレートな髪がうらやましくて、「もしも生まれ変われるとしたら神様に一つだけ何をお願いしたいか」と言われたら「髪をストレートにしてください!」とお願いしたい。ずっとずっと、そう思っています。子どもの頃から。現在還暦も過ぎた孫のいるおばあちゃんですが…。「なんでそんなもじゃもじゃな髪の毛なん?」と何度も言われたことがあります。「そんなん知らんわ!私が聞きたいわ!真っすぐにしてほしいわ!」と心の中で叫びながら、「何でやろな…」と小さな声でつぶやく。言ってる人は何も思わないで言ってるのだろうけど、私はそのたびに泣きたくなる。誰を恨んでも仕方がないけれど…。(60代女性)

■デメキンと呼ばれ

 目が大きかったので、子どもの頃にデメキンと呼ばれたことがあった。(40代女性)

■薄毛を笑う人に

 太っていることを親戚から言われます。ずっと気になってたのは、薄毛の人を笑う人間です。本人のせいではないのに、人格までも決めつけるようで悲しく思います。(60代女性)

■親を恨んだことがある

 顔の左側にほくろが多く、口びるにあり、意識しだしたのは小学校1年生の頃です。鼻くそがついてるとか、いろいろ言われました。初対面の人はじーっと口を見ます。親にも言わず、ずっと耐えてきました。大人になり社会に出て、やはり初対面の人はじーっと口を見ます。化粧してもほくろは消えません。でもそんなほくろがあっても、ちゃんと普通に接してくれる人はいます。今そんな私は結婚もして子どももいます。還暦になります。気にせず生活を送ろうとは思ってるのですが、やはり「口どうしたの?」「ケガしてるとか?」と悪気なく聞いてくる人がいます。その時はホクロですとはっきり言います。口にホクロがあると一生食べ物には困らないと言う伝説があるから、と。なんで自分だけ口にホクロがあるねんと親を恨んだことはあります。今も多少はコンプレックスを持っています。私と同じ人がいたら安心した気持ちになります。除去することはできるのですが、私はしないです。多分死ぬまでこのままだと思います。(60代女性)

■どうしようもないので

 10月17日の神戸新聞の(ほくろに悩んでいた女性の)記事を見て、自分と同じだと思いました。私も顔にほくろが多く、小学生の時はよくからかわれ、非常にいやな思いをしました。中学生になると直接言われることはなくなりましたが、みんな心の中では、ほくろが多い醜い顔だと思っているんだろうなと、いつも悩んでいました。この記事の方はほくろを取り、自分の肌に自信が持てたようでよかったと思います。私はどうしようもないのでとあきらめています。(50代女性)

すがたかたち ルッキズムを考える