創設20周年を迎えたフードバンク関西。「活動は転機を迎えている」と話す中島真紀理事長=神戸市東灘区深江本町1
創設20周年を迎えたフードバンク関西。「活動は転機を迎えている」と話す中島真紀理事長=神戸市東灘区深江本町1

 食品の無駄を減らして、必要な人に届ける「フードバンク」活動。日本での先駆けとなった認定NPO法人「フードバンク関西」(神戸市東灘区)は、今年で20周年を迎えた。食品の提供企業や受け取り団体の数は右肩上がりで推移してきたが、「活動は転機にある」と中島真紀理事長(65)。兵庫県を中心とする広域団体として、食を手段とする多面的な地域支援に向け、今後の在り方を模索する。(田中真治)

 レトルトのカレーやスープ、お米や乾麺、コーヒーパックや菓子…。約200平方メートルの事務所に所狭しと並ぶかご台車から、スタッフが食品を手際よく仕分けていく。昨年度の取扱量は276トン。その4分の3は食品会社やスーパーなどの企業からで、パッケージの汚損や過剰在庫などで店頭に出せなくなった商品だ。

 2003年に芦屋市在住の米国人が創設した当時、提供元は外資系1社のみ。それが、昨年には165社・団体に広がり、受け取り先も母子生活支援施設や子ども食堂など168団体に伸びた。

 だが、将来的に「寄贈量の増加は望めなくなるのではないか」と中島理事長は予測する。