町面積の約8割を森林が占める兵庫県佐用町で、短期間で成長する「早生樹」の一種、ユーカリを活用した森づくりの試みが始まった。同町が今年、大学や民間企業と共同で町有林にユーカリを植える実証実験に着手。伐採後はバイオマス燃料や用材として販売し、林業の活性化や放置林の解消につながる新しい造林モデルの構築を目指す。一方、外来植物の植樹による生態系への影響を懸念する声も上がる。(真鍋 愛)
■冬と食害
県西部、岡山県との県境に位置する佐用町。今年5月、町有地約1千平方メートルに3種類のユーカリの苗木計約250本が植えられた。9月には別の2種類を含む計73本を追加で植栽。町農林振興課の井土達也課長(52)は「大きい木は2メートルほどの高さになった。次の課題は、冬の寒さを越えられるかどうか」と説明する。