商売繁盛や家内安全を祈願する「十日えびす」は9日、宵えびすを迎えた。新型コロナウイルス感染症が5類に移行して初めてとなり、「えべっさん」の総本社として知られる西宮神社(兵庫県西宮市社家町)をはじめ、県内各地の神社に福を求める人々が詰めかけた。
柳原蛭子(えびす)神社(神戸市兵庫区)では、淡路人形座が淡路人形浄瑠璃「戎舞(えびすまい)」を奉納し、酒を飲んで上機嫌のえびす様が、参拝客の幸福を祈って一献を飲みほした。さらに昨年日本一となったプロ野球阪神タイガースに触れ、「今年はアレ(優勝)の次のアレをできるように」と願って杯を傾けると、境内がどっと沸いた。
近くのパート女性(48)は、長男(5)と訪れ、「能登半島地震が起こり不安も多いけれど、家族が健やかに過ごせる1年になるように願いました」と話した。
10日は本えびすで、11日は残り福がある。同神社によると、参拝者は3日間で約15万人を見込み、昨年から5万人程度増える見通しという。(門田晋一)