介護職員による高齢者への虐待件数の推移
 介護職員による高齢者への虐待件数の推移

 厚生労働省は25日、介護職員による高齢者への虐待が2024年度に1220件あったとの調査結果を発表した。前年度から8・6%増え、4年連続で過去最多を更新。職員に通報を促す環境整備が進んだことが要因とみられる。被害者は、1件で複数いるケースもあり、2248人だった。うち5人が死亡した。

 虐待の種別(複数回答)は、暴力や身体拘束といった身体的虐待が51・1%で最も多かった。暴言などの心理的虐待が27・7%、長時間放置などの介護放棄が25・7%だった。

 虐待の要因は「虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識不足」が最多で、「倫理観や理念の欠如」「ストレスや感情のコントロール」も目立った。

 職員による虐待件数は市区町村が相談・通報を受け、事実関係を確認したケースを集計。24年度の市区町村への相談・通報は前年度比5・6%増の3633件だった。