イチゴ栽培で教室にビニールハウスを置いた班の児童ら。花の成長を促そうと投光器で温めた=いずれも加西市和泉町、日吉小学校
イチゴ栽培で教室にビニールハウスを置いた班の児童ら。花の成長を促そうと投光器で温めた=いずれも加西市和泉町、日吉小学校

 農家さんに負けないイチゴを作りたい-。兵庫県加西市立日吉小学校(加西市和泉町)の5年生22人が、アイデアを持ち寄って栽培に励んでいる。本来イチゴは4~6月が旬だが、プロのように冬の収穫に挑戦。教師も「正解は分からない」として見守る授業で、順調に花が開き実を付ける株もあれば、葉が茶色くなってしまう株も。子どもたちは、ぬるま湯をかけたり、湯たんぽで温めたりと試行錯誤を繰り返している。

 加西市は2021年度から、文理融合型の知識を使った「STEAM(スティーム)」教育を実践。子どもたちの探究心と創造力を伸ばし、さまざまな課題解決を図る人材の育成を目指す。

 5年生は昨年度から、市内でトマトとイチゴを生産する櫻井健一さん(56)の指導を受け、春から夏にトマトを栽培。その経験を生かして夏から冬にイチゴを育てている。

 農家の櫻井さんはアドバイスをしない。担任の桂宗三郎教諭(41)も経験がない。子どもたちはインターネットで得た知識だけを頼りに9月、栽培を始めた。