専門である外交、防衛はもちろん、震災復興についても提言を続けた五百旗頭真さん=2011年、防衛大学校
専門である外交、防衛はもちろん、震災復興についても提言を続けた五百旗頭真さん=2011年、防衛大学校

 災害復興のあり方について提言を続けた神戸大名誉教授の五百旗頭真さんが6日、80歳で亡くなった。「もっと、意見を聞きたかったのに」。阪神・淡路大震災の発生から来年で30年の節目となるのを前にした突然の訃報に、悲しみが広がった。

 五百旗頭さんが理事長を務めるひょうご震災記念21世紀研究機構(神戸市中央区)によると、五百旗頭さんは6日、午後2時からのオンライン会議に出席。理事長室に戻った直後の同2時半ごろ、ソファに倒れているところを職員が見つけた。救急搬送されたが、意識が戻らず、帰らぬ人となったという。

 1995年1月の震災で西宮市の自宅が全壊。神戸大の教え子を亡くした。

 「その経験を常に振り返りながら発信を続け、被災地責任を果たそうとしていた」と、神戸大名誉教授の室崎益輝さん(79)=防災計画学=は話す。