「相続した農地を転用したいけど手続きが難しく、なかなか進まない」。神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、神戸市西区の女性(57)からそんな相談が寄せられた。農家の高齢化や後継者不足で今後も同様の悩みは予想されるが、日々の食卓を支える農業や、その基盤となる農地も守らなければならない。解決策はあるのだろうか。(鈴木雅之)
女性が相続した田んぼは兵庫県稲美町の県道沿いにある。今は耕作放棄地になっており、雑草の手入れなどは年に数回、地元農家に協力してもらっている。
実家は兼業農家だったが、約30年前に両親が他界。田んぼは女性とその妹が相続したが、2人とも既に独立して町外で生活していた。農業をする予定もなく、数年前から処分方法を模索しているという。
交通の便が良く、土地の広さも程よい。過去にはコンビニや建設会社から売却を打診されたこともあるが「手続きが難しく、きちんと話が前に進んだことがない」と話す。