受賞した(左から)フードバンク関西の中島真紀理事長、西田眞人さん、正井礼子さん、前田穂南さんの代理・佐野嘉郎さん、ヴィッセル神戸運営会社の千布勇気社長=28日午前、神戸市中央区波止場町(撮影・小林良多)
受賞した(左から)フードバンク関西の中島真紀理事長、西田眞人さん、正井礼子さん、前田穂南さんの代理・佐野嘉郎さん、ヴィッセル神戸運営会社の千布勇気社長=28日午前、神戸市中央区波止場町(撮影・小林良多)

 優れた業績があった兵庫県ゆかりの個人、団体を対象とする「第78回神戸新聞平和賞、文化賞、社会賞、スポーツ賞」の表彰式が28日、神戸市中央区の神戸メリケンパークオリエンタルホテルであった。平和賞は、困難を抱える女性を支えてきた認定NPO法人「女性と子ども支援センター ウィメンズネット・こうべ」代表理事の正井礼子さん(74)=神戸市中央区=に贈られた。

 正井さんは1992年に同団体を設立し、男女平等社会の実現を目指してきた。ドメスティックバイオレンス(DV)の被害に遭った母子の一時保護施設を開いたほか、デートDVを防ぐための若者向け授業は延べ27万人が受けた。

 文化賞は、日本画家の西田眞人さん(71)=同市北区。阪神・淡路大震災や復興した神戸などを描いて数多くの賞を受け、新しい絵画の可能性を追求している。

 社会賞は、認定NPO法人「フードバンク関西」=同市東灘区。食品の無駄を減らし、支援が必要な人に届けるフードバンク活動にいち早く取り組み、昨年、発足から20年を迎えた。

 スポーツ賞は、マラソン選手の前田穂南さん(27)=尼崎市出身、天満屋所属=と、サッカーJリーグ1部(J1)「ヴィッセル神戸」=神戸市中央区=が受けた。

 前田さんは、1月の大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒をマークし、19年ぶりに日本記録を更新した。ヴィッセル神戸は、2度の2部降格など苦難の時期を乗り越え、昨年J1で初優勝を果たした。

 表彰式では、神戸新聞社の高梨柳太郎社長が受賞者の功績をたたえた。正井さんは「活動が社会の役に立っているか分からなくなることもある中、賞をいただき、励みや力になった」と話した。(井原尚基)