大阪、京都の府県境に隣接する丹波篠山市東部の福住地区。宿場町の面影を残し、国重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されたエリアに、近年、移住者らによるカフェやギャラリー、工房などの開業が相次ぐ。その流れを加速させようと、地元では職人肌の移住者らの「弱点」を補うユニークな人材派遣の仕組み作りが計画されている。(堀井正純)
■一抹の不安
同市出身の菓子職人・吉田大紀さん(32)は今春、福住地区でスイーツ店「フットパスケークス」を開いた。元は郵便局だった和洋折衷の建物が目を引く。
平飼いのニワトリの卵など、厳選した素材の味を生かしたシンプルな菓子作りが信条。看板商品は、淡路・五色浜で精魂込めて作られた塩「自凝雫塩」を使った「あぜ道サブレ」だ。
大阪の専門学校で製菓を学び、尼崎の洋菓子店で11年腕を磨いた。神戸のイタリア料理店ではデザート作りを担当。故郷で念願の出店にこぎつけたが、店の経理面などでは不安もあるという。
■専門的人材を派遣
























