「連携型中高一貫教育校」が検討される浜坂高校=兵庫県新温泉町芦屋
「連携型中高一貫教育校」が検討される浜坂高校=兵庫県新温泉町芦屋

 過疎化に直面する兵庫県新温泉町で、唯一の県立高校の浜坂高校と二つの中学校が教育内容や教員・生徒の交流などで連携する「連携型中高一貫教育校」に向けた検討が始まる。背景には、町内の中学校卒業生が2年後にも「2桁に突入」という少子化予測や、隣接する鳥取県の私立高校への「生徒流出」などがある。学校の存続に向け、試行錯誤する浜坂高校や地域の取り組みを取材した。(斎藤 誉)

 ■浜坂高の現在地

 日本海や内陸部の山々、温泉など、豊かな自然環境で知られる新温泉町。日常的な買い物など、鳥取県と行き来が多いことも特徴だ。ただ、推計人口は1万2252人(5月1日)で減少の一途をたどっている。

 その町にある浜坂高は創立75年超。一学年の定員は80人で、普通科に「総合コース」と四年制大学を志望する「特進コース」がある。ここ数年は定員割れが目立ち、21年度は58人、22年度63人、23年度69人、24年度73人。在校生の9割以上が地元出身者という。