いつも帰宅の遅い森川正敏さんと娘の堀切文音さんが交流を図っていた手紙。正敏さんの死後、ずっと見返せなかった=神戸市垂水区(撮影・長嶺麻子)
いつも帰宅の遅い森川正敏さんと娘の堀切文音さんが交流を図っていた手紙。正敏さんの死後、ずっと見返せなかった=神戸市垂水区(撮影・長嶺麻子)

 「父を過労死で亡くしました。記憶にある父はずっと疲れていて、どんどんやせ細っていきました」。5月30日、兵庫高校(神戸市長田区)の体育館で、3年生約320人を前に堀切文音(あやね)さん(30)=神戸市西区=が話し始めた。あの日から22年、過去に戻って父に会えるなら伝えたいことがある。「私たちのために働いてくれてありがとう。でも、仕事より命の方が大事やで」

■新しい働き方、自ら示したい