神戸新聞NEXT
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 結婚式を通して神戸の活性化を図る「神戸ウエディング会議」(事務局・神戸市中央区)の元事務局長の男性が、運営資金約900万円を横領したとみられることが16日までに分かった。同会議は業務上横領容疑で葺合署に被害届を出す方針。資金には公金も含まれるという。

 関係者や同会議によると、男性は運営資金の管理を1人で担っており、2021年秋以降、自身の生活費などに充てたという。自身の事業の資金繰りが厳しくなっていたとみられる。今年6月、同会議の関係先への支払いができなくなったため申し出た。約900万円のうち約650万円を返済したという。

 同会議は神戸市内のホテル・観光などの婚礼関連業者らで05年に発足した。「神戸ウエディングクイーン」を選考し、神戸での挙式の魅力を発信している。企業や大学など約70団体が加盟し、運営は会費や補助金で賄う。官民でつくる神戸観光局も毎年度、税金を原資とする67万5千円を協賛金として支出している。

 同観光局は神戸市と連名で同会議に対し、被害届提出や告訴などの「適切な対応」と、再発防止に向けた管理体制の再構築を求めた。同会議は男性に返済の意思があるなどとして告訴は見送るという。

 同観光局は「非常に遺憾。適正な資金管理を求める」とし、協賛金の在り方などは、同会議の対応をみて判断する。同会議は「長年、一緒に活動してきた信頼でやってきた部分があり、資金管理が甘かった。複数でチェックする体制にあらためたい」としている。