「探究と対話を深めるNIE」をテーマに京都市内で開かれた第29回NIE全国大会(日本新聞協会主催)は2日、15の分科会に分かれて公開授業や実践事例を紹介して、2日間の日程を終えた。教員や報道関係者ら延べ約1200人が参加し、情報や価値観の多様化について新聞でどう学ぶかを探った。次回は2025年7月31日、8月1日に神戸で開く。
実践発表では、京都教育大付属桃山小学校の井上美鈴教諭がデジタル新聞を使ったNIEについて発表。気になった記事を画像で保存する「スクラップ」に取り組んで意見を交わしているといい「デジタルは紙より気軽にスクラップできる。頻度が上がり、対話も増えた」とメリットを伝えた。
京都の祇園祭の魅力を伝える新聞を作る小学生の公開授業では、祭りを報じた新聞を見比べ、よりよい伝え方を学んだ。日本と海外の記事を比較し、ジェンダー表現の違いを分析する中高生の授業もあった。
次回大会は阪神・淡路大震災から30年、戦後80年にあたり、テーマは「時代を読み解き、いのちを守るNIE」。西宮市在住の芥川賞作家、小川洋子さんによる記念講演を予定している。(鈴木雅之)