兵庫県議会の自民党、公明党、立憲民主党と無所属議員などでつくる「ひょうご県民連合」、共産党の4会派と無所属4人が12日、斎藤元彦知事の辞職を求めて提出した申し入れ書の全文は次の通り。
文書問題が惹起(じゃっき)されてから約半年。現在、県政への信頼は大きく損なわれ、県民のみならず全国から厳しい批判が寄せられている。危機的状態にある県政を目の当たりにして、二元代表制の一翼を担う兵庫県議会として忸怩(じくじ)たる思いを禁じ得ない。
我々(われわれ)兵庫県議会は51年ぶりにいわゆる百条委員会を設置し、知事はじめ県幹部に向けられた7つの告発内容について真偽を明らかにすることを通じて県政の信頼回復に全力を傾注してきた。
一方、斎藤知事は、告発文書の内容に真実が存在し、文書が「嘘(うそ)八百」ではないことが明らかになったにもかかわらず、「文書に真実相当性がない」という従来からの考え方を変えることなく頑(かたく)なな姿勢を取り続けている。加えて、「道義的責任が何かわからない」と看過できない発言が飛び出した。参考人招致した専門家からも、公益通報者保護法からみて「兵庫県は今も違法状態」と断じている。
知事という職責を果たすためには、法令遵守(じゅんしゅ)は当然のことながら、人として守るべき倫理や道徳といった道義的責任がより強く求められるが、知事の発言からは道義的責任を有している態度を見出すことはできない。
本来ならば、文書問題調査特別委員会の終結を待つところであるが、県民本位の健全な県政と職員が安心して働ける職場を一日でも早く取り戻し、新たに信任を得た知事のもとで来年度予算を編成するためには、斎藤知事の即時辞職が必要である。
よって、県政を前に進めるため、速やかに兵庫県知事の職を辞すことを求める。
なお、9月定例県議会までに自ら辞職を決断しない場合には、次に然(しか)るべき行動に移る覚悟である。加えて、引き続き文書問題の真相解明への協力を求めることも申し添えておく。