30年ぶりに再会した竹田剛一さん(右)と柴田大輔さん=明石市大久保町(撮影・鈴木雅之)
30年ぶりに再会した竹田剛一さん(右)と柴田大輔さん=明石市大久保町(撮影・鈴木雅之)

 阪神・淡路大震災の直後、犠牲者の検視のため、神戸市長田区の遺体安置所に詰めていた兵庫県警捜査3課の警部補竹田剛一さん(71)=明石市大久保町=は、祖母に手を引かれ、幼い弟2人の遺骨を持ち込んだ男の子にパンを手渡した。

 弟は1歳と3歳。母親は大けがを負ったという。その話を聞いた私たちは、震災の語り部グループで活動する柴田大輔さん(37)=神戸市長田区=ではないかと思い当たった。

 柴田さんに連絡を取ると、当時のことを覚えていた。