引き取り手がいない「無縁遺骨」が入る名古山霊苑の無縁塔=姫路市名古山町
引き取り手がいない「無縁遺骨」が入る名古山霊苑の無縁塔=姫路市名古山町

 人生の締めくくりに備える「終活」の支援に乗り出す自治体が増えている。姫路市は10月、緊急連絡先や延命措置の希望などを事前に登録してもらう制度を導入。神戸、高砂両市は葬儀や納骨業者との生前契約を仲介し、踏み込んだ事業にも取り組む。背景には死後に引き取り手がいない「無縁遺骨」の増加があるという。(真鍋 愛)

 世界文化遺産・国宝姫路城を望む墓地公園「名古山霊苑」(姫路市名古山町)。市が管理する無縁遺骨は骨つぼに収められ、同霊苑の南西部に位置する「無縁塔」で安置されている。

 市によると、塔が建立された1957年以来、高齢化や核家族化の進展で独居高齢者の増加に比例し、収められる遺骨の数は右肩上がりで増えている。収容スペースは残りわずかで、遺体安置室に遺骨を一時保管するロッカーを設け、急場をしのいできた。