兵庫県のヤングケアラー専門の相談窓口がある県福祉センター=神戸市中央区坂口通2、兵庫県福祉センター
兵庫県のヤングケアラー専門の相談窓口がある県福祉センター=神戸市中央区坂口通2、兵庫県福祉センター

 大人に代わり家事や家族の世話をする「ヤングケアラー」は、国の実態調査で小学生~大学生の4~6%とされ、兵庫県内の10~24歳に当てはめると3万~4万5千人。県は相談窓口を開設しているが、支援につながった事例はほんの一握りだ。自ら助けを求められない子どもたちに、どのように手を差し伸べるのか。17日投開票の県知事選でも議論が求められる。(千葉翔大)

クラスに2人前後か、問われる体制整備

 「ハンバーグがおいしかった。自分で食事を作るのは大変だったし、お弁当はレンジで温めて終わりだったので楽だった」

 阪神間で暮らす高校3年の男子生徒(18)は3年前を振り返った。母親は体調を崩し、一時は起き上がることもできなかったが、知人の紹介で県が取り組むヤングケアラー向けの配食支援に頼ることができた。