温かい飲み物やおかゆを求め、生活に困窮する人々が列をなした=28日午前、神戸市中央区加納町6(撮影・大田将之)
温かい飲み物やおかゆを求め、生活に困窮する人々が列をなした=28日午前、神戸市中央区加納町6(撮影・大田将之)

 1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では多くの人が家を失い、避難所生活を送ったが、仕事を失ってもけがをしても、路上に放置されてきた人がいた。地震のときに家がなく、「罹災証明」がなかった野宿生活者だ。震災後、路上で亡くなった人もいる。また巡る厳しい冬をどう乗り切るか。そうして始まった神戸・東遊園地での「冬の家」は28日、30回目の開催を迎えた。来年1月4日まで。(高田康夫)

■記録誌に残る困った経験

 「冬の家」は、NPO法人「神戸の冬を支える会」を中心に、95年12月から毎年、東遊園地などで開かれてきた。年末年始の毎日、炊き出しを配って生活や健康などの相談に乗っている。震災で倒壊したビルの下敷きになって死亡した野宿生活者2人や、その後に路上で凍死、衰弱死した人らの追悼もしている。

 「向こうのテントには救援物資、届けんでええよ」