震災継承研修で、災害時の対応などを話し合う新人職員ら=神戸市中央区
震災継承研修で、災害時の対応などを話し合う新人職員ら=神戸市中央区

 平時は見えなかった、あるいは見ようとしなかった社会の課題が、災害で一気にあぶり出される。それが30年前の阪神・淡路大震災で、私たちが学んだ教訓だった。

 老朽化した木造住宅の密集地が壊滅的被害を受け、高齢者は劣悪な避難環境で命の危険にさらされた。スーパーや量販店に押されつつあった商店街では、店をたたむ人が相次いだ。

 「災害が起こってからの『アフター』(後)ではなく、『ビフォー』(前)が重要です」