兵庫県は2日、2025年の県功労者表彰の受賞者218人(22部門)を発表した。兵庫の名声を高めた「県勢高揚功労」には、神戸親和大教授の臼井真さん(64)、ホテルニューアワジ会長の木下紘一さん(82)、書家の黒田賢一さん(78)、「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」の組織委員会会長を務めた増田明美さん(61)の4人が選ばれた。(田中宏樹)
臼井さんは阪神・淡路大震災の当時、神戸市内の小学校で音楽教諭として勤務。復興への願いを込めた合唱曲「しあわせ運べるように」を作詞作曲した。同曲は県内の小学校や追悼式典、東日本大震災の被災地などで30年間歌い継がれている。
木下さんは経営難の宿泊施設を相次いで再生させ、淡路島の発展に尽力。淡路島観光協会の初代会長を務め、地域経済の活性化にも貢献した。10年から4期12年、洲本商工会議所会頭を務めた。
黒田さんは姫路市役所に勤めていた19歳の時、故西谷卯木さんに師事。力強さと流麗さを備えたかな書の作品が評価され、19年に日本芸術院の会員、23年には文化功労者に選ばれた。所属する「正筆会」では会長を務める。
増田さんは1984年のロサンゼルス五輪女子マラソン代表で、日本パラ陸上競技連盟会長。昨年5月に神戸市であった世界パラ陸上の組織委員会会長としてリーダーシップを発揮し、大会を成功に導いた。
最年長の受賞者は、防災功労を受けた「人と防災未来センター」(神戸市中央区)語り部ボランティアの津久井幸子さん(95)=同市灘区。2002年の開館当初から活動し、倒壊した家屋の下敷きになり負傷した経験や助け合いの大切さなどを伝える。
福祉功労は23人で、県遺族会常任理事の伊豆島光子さん(85)=西宮市=は戦争の語り部活動の推進などで会の継承に尽力する。産業振興功労は弁当製造販売を手がける淡路屋(神戸市東灘区)社長の寺本督さん(63)ら26人が選ばれた。
今年の受賞者は39~95歳(平均68歳)で、女性は54人。表彰式は30日、神戸市中央区のホテルオークラ神戸である。
■表彰される方々(敬称略)