兵庫県の絶滅危惧種に指定されているクリンソウが六甲高山植物園(神戸市灘区)で次々と開花している。筒状に咲くピンクの花びらが湿地の一角を染め上げ、ハイカーらの目を楽しませている。見ごろは6月上旬まで。
谷あいや山地の湿地に自生する多年草。花びらの直径は2センチ前後で、成長すると最大で高さ80センチほどになる。茎に数段で輪生する姿が仏塔の「九輪」を思わせることが、名前の由来となった。
およそ300平方メートルの敷地に約5千株が植栽される。雨の多い六甲山上は霧に包まれやすく、ひとたび発生すれば幻想的な景色に。5年以上通い続けている大阪市の女性(64)は「九輪というだけあって、見ると心が落ち着きます」と笑顔で話していた。
午前10時~午後5時。中学生以上900円、4歳以上450円。六甲高山植物園TEL078・891・1247
(風斗雅博)