兵庫県の斎藤元彦知事(資料写真)
兵庫県の斎藤元彦知事(資料写真)

 兵庫県の告発文書問題を受け、消費者庁が22日に全国の自治体などに公益通報者保護法の対応を徹底するよう求めた通知に対し、斎藤元彦知事は23日、報道陣の取材に応じ、「しっかり重く受け止めていく」と話した。一方、同法を所管する消費者庁と斎藤知事の法解釈が異なっているという指摘には、「法の趣旨に基づいて適切に対応したい」と述べるにとどめた。

 消費者庁の通知を受けた県は同日、公益通報を覚知した際に適切に対応する最新の実施要領を職員に周知する通知を出した。通知は、県が通報者の探索や不利益な取り扱いをしないよう慎重に対応していると記し、斎藤知事と幹部職員が今月受けた公益通報に関する研修の動画視聴を促した。

 告発文書問題では、弁護士でつくる県の第三者調査委員会が3月、文書を作成した元西播磨県民局長(故人)を探索した県の「告発者捜し」などの対応を、「違法」とする調査報告書を公表。これを受けた会見で斎藤知事は、告発者捜しなどを禁じる公益通報の体制整備義務は「内部通報に限定されるという考え方もある」と発言したため、消費者庁は4月、法の解釈が公式見解と異なると県の担当者に伝えていた。

 消費者庁は22日、地方自治法に基づく「技術的助言」として、都道府県知事や市区町村長に宛てて、報道機関などに対する外部通報も、必要な体制を整備する義務があると明記した通知を出した。斎藤知事は23日、報道陣の取材に「さまざまな考え方があると申し上げてきた通りだが、消費者庁の一般的な法解釈は受け止めていくことが大事」と述べた。