私的情報の議会との共有支持を巡る供述と第三者委員会の判断
私的情報の議会との共有支持を巡る供述と第三者委員会の判断

 兵庫県の告発文書問題を巡り、文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の私的情報を前総務部長が漏らした疑惑について、県の第三者調査委員会が27日に公表した報告書の要旨は次の通り。

 【調査の結論】

 前総務部長は、少なくとも、2024年4月19日から同22日ごろまでの間に、2会派3人の県議に対し、元県民局長の私的情報を紙に印刷した資料の一部を提示し、併せてその内容の一部を口頭で述べるなどして秘密を漏えいした、と認められる。

 【認定事実および判断】

 4月中旬ごろ、前総務部長の指示を受け、総務部職員は考査担当職員に、私的な文書の内容が分かる資料を用意するように指示。計5部印刷したファイルを、前総務部長と総務部職員3人に手渡し、残りの1部を人事課内の鍵付きロッカー内に保管した。

 ところが、7月25日付週刊文春で元県民局長の私的データにかかる記事が掲載されたことから、ファイルの保管状況を確認。前総務部長は当初、ファイル受領の事実を否認していた。

 職員2人は処分したと供述、1人は自分のロッカーに移して以降触っていないと説明しており、外部には持ち出していない。1部は人事課内のロッカーに現在も保管されている。

 前総務部長は、当委員会に対しては、11月26日の事情聴取において、ファイルを受け取った事実を認めるに至った。「人事課の若い担当の職員に返したが、誰に返したかは覚えていない」というのは不自然で容易に採用しがたい説明である。

 前総務部長から私的情報を見せられた3議員は、事情聴取に経緯を説明。いずれも口頭での説明を受け、紙に印刷された資料を提示されたと供述しているのに対し、前総務部長は11月26日の事情聴取において「県会議員に私的文書のファイルを見せて回ったことはない。そのように言われているとしても、その内容は虚偽である」と否認していた。