武庫川女子大(西宮市)の吉富志津代教授=移民政策=が、南米・ボリビアにある日本人移住地の教育を紹介した本を執筆した。戦後、ボリビアに渡った日本人の子孫らが学ぶ学校で、公用語のスペイン語に加えて日本語による教育が続いていることに着目。「複数言語による教育が成果をもたらしている。海外出身の子どもが増える日本の教育のヒントになる」と指摘する。(上田勇紀)
吉富さんは京都外国語大卒業後、1990~94年に神戸にあったボリビア名誉総領事館に勤務した。95年の阪神・淡路大震災後、多文化共生の情報を発信するコミュニティー放送局「FMわぃわぃ」(神戸市長田区)の立ち上げに加わり、99年にはNPO法人「多言語センターFACIL(ファシル)」(同区)を創設。2014年以降、研究の一環でボリビアを何度も訪れている。