化石組織を壊さずにタンパク質を可視化する技術を開発したと発表する稲葉勇人さん(左から2人目)ら=たんば恐竜博物館
化石組織を壊さずにタンパク質を可視化する技術を開発したと発表する稲葉勇人さん(左から2人目)ら=たんば恐竜博物館

 たんば恐竜博物館(丹波市山南町谷川)教育普及専門員の稲葉勇人さん(27)を中心とした研究チームが18日、ゾウ類の化石を使って化石組織を壊さずにタンパク質を可視化する世界初の技術を開発したと発表した。化石から種の特定につなげる研究の効率が、飛躍的に向上するという。(伊藤颯真)

 稲葉さんが在籍する岡山理科大学などの研究者13人でつくるチーム。化石に残るタンパク質を分析し、絶滅生物の進化を探る研究分野「パレオプロテオミクス」では、化石試料の一部を粉末に砕いて成分を抽出する方法が主流。しかし、粉末にすることなどで、研究過程で混入した現代のタンパク質と明確に区別できず、分析結果の信頼性が長年の課題だった。