「被爆地の子どもたちに読んでもらえる本を執筆できてよかった」と話す梓加依さん=宝塚市
「被爆地の子どもたちに読んでもらえる本を執筆できてよかった」と話す梓加依さん=宝塚市

 宝塚市の児童文学作家・梓加依(あずさ・かい)さん(81)の小説「広島の追憶~原爆投下後、子どもたちのそれからの物語」(鹿砦社)が、広島市の小学校読書感想文コンクールの課題図書に選ばれた。広島で暮らした少女時代の記憶をモチーフに、原爆症による身近な人たちの死など、戦後の子どもらが体験した苦境を描き、評価された。梓さんは「被爆地の平和学習に貢献できて光栄です」と喜んでいる。

 梓さんは1944(昭和19)年、長崎県生まれ。小学校の時、広島へ引っ越し高校まで過ごした。関西に移ってから結婚し、4人の子どもに恵まれた。大学講師などを務めた後、児童文学を研究している。