どのドリンクがお気に入り? 投票で決めてもらうことにした銭湯=神戸市灘区水道筋1、灘温泉水道筋店
どのドリンクがお気に入り? 投票で決めてもらうことにした銭湯=神戸市灘区水道筋1、灘温泉水道筋店

 銭湯上がりといえばガラス瓶の牛乳が定番だが、神戸市内では最近、地元になじみの深い炭酸飲料などを提供する店が増えている。今春以降4軒が新たに提供を開始。同市浴場組合連合会に加盟する28軒のうち20軒となり、さらに増えそうな勢いだ。背景には、神戸の銭湯の新たな売りとして、地元に根付く昔懐かしい味をレトロな瓶で楽しんでもらおうという思いがある。(安福直剛)

■アップルやラムネ、ソーダ水をガラス瓶で

 炭酸飲料は19世紀半ば、開国を迫った外国人が日本に持ち込んだとされる。開港後の神戸でも、英国スコットランド出身の実業家が居留地を拠点に初めてラムネを製造、販売。また、今も愛飲されている「三ツ矢サイダー」と「ウィルキンソン タンサン」の発祥地はそれぞれ川西市と宝塚市で、兵庫県と炭酸飲料は古くから縁がある。

 その後、炭酸の製造会社が全国で次々と創業。県内にも多くの鉱泉所が誕生し、六甲山系の茶屋や銭湯に商品を卸した。布引礦泉(こうせん)所(西宮市、1899年創業)や兵庫鉱泉所(神戸市長田区、1952年創業)は今も製造を続けている。

   ◇   ◇