兵庫県議会6月定例会の本会議=2025年6月12日、兵庫県公館
兵庫県議会6月定例会の本会議=2025年6月12日、兵庫県公館

 兵庫県の告発文書問題を受け、斎藤元彦知事が県議会に提案した自身の給与減額条例案について、県議会の自民党、維新の会、公明党、ひょうご県民連合の主要4会派は30日の県議会総務常任委員会で、再び継続審議が必要との態度を示す方針を固めた。議会関係者への取材で分かった。

 給与減額条例案は6月の県議会定例会に提案されたが採決が見送られた。今定例会でも、10月22日までの会期中に賛否が決まらない公算が大きくなった。

 給与の減額は、告発文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の公用パソコン内に記録されていた私的情報の漏えいを巡り、斎藤知事が「県保有情報の管理責任」を取るとして提案。7月から3カ月間、給与削減幅を現行から20%上乗せし、50%とするとした。

 一方、県の第三者調査委員会は前総務部長による情報漏えいについて、斎藤知事らが指示した可能性を指摘。しかし知事は否定しているため、主要会派は「事実解明が先」と反発し、県提出議案では初の継続審議となった。

 議会関係者によると、4会派はその後も継続審議の方針で変わらず、9月30日の総務常任委員会で改めて態度を示す見通し。10月2日の本会議では2025年度一般会計補正予算案などの議案が採決されるが、給与減額条例案の賛否を問う見込みは薄くなった。

 ただ今後、知事による詳しい説明など新たな判断材料があれば、今定例会中に臨時の常任委員会を開いて賛否を決める可能性はあるという。最大会派自民の谷口俊介幹事長は「多種多様な意見が出ており、議論は尽くせるだけ尽くす」と話している。(井上太郎)