コウノトリの見守りなどに取り組む「日本コウノトリの会」(豊岡市城崎町今津)は5日、全国の野外コウノトリの生息状況を確かめる一斉調査を実施する。今年は野生復帰に向けた2005年9月の初放鳥から20年の節目に当たり「一羽でも多く突き止めたい」と参加を呼びかける。(阿部江利)
同会は今年までに海外から飛来した野生なども含む野外の個体計909羽を確認した。死んだり、飼育下に収容されたりした鳥は計211羽で、差し引いた698羽の安否を確認する。
調査は年1回、例年3月の恒例だが、今年は20年に合わせて秋にも実施し、5日終日の目撃情報を募る。コウノトリを見つけた場合、場所、天候、採餌や巣作りなどの行動、足輪の色を確認し、写真を撮る。
足輪など詳しいことが分からなくても、コウノトリがいることが土地の生き物の豊かさを知る手がかりになるといい、広く情報提供を呼びかける。
結果は、目撃情報を集めるプロジェクト「コウノトリ市民科学」のサイトから入力したり、メールや電話で報告したりできる。昨年の一斉調査では、255件の報告があり154個体を確認した。
巣立ち以降、一度も目撃情報がない個体もいるといい、永瀬倖大事務局長(30)は「放鳥20年の節目に、これまで見つけられていない個体にも出会いたい。これまでの道のりを振り返り、未来に向けて新たな一歩を踏み出す日になればうれしい」と話している。
同会(メールアドレスは8560toshima@iris.eonet.ne.jp)TEL0796・20・8560