「毎日登山」初期のサインが残るノート=神戸市灘区王子町2、神戸登山研修所
「毎日登山」初期のサインが残るノート=神戸市灘区王子町2、神戸登山研修所

 健康維持のため、毎朝自宅近くの山に登る「毎日登山」は、開港とともに神戸にやって来た外国人が六甲山系で広め、神戸特有の文化として根付いた。目的地となる茶屋などのサイン帳に署名するのが習わしで、草創期に当たる大正時代や戦中の3冊が神戸市内に現存している。登山道の名称の由来となったドイツ人と思われる直筆署名も見え、興味深い内容だ。(安福直剛)

 兵庫県山岳連盟が、同市灘区の神戸登山研修所で保管している。普段は鍵のかかった書庫にあり、慎重に扱わなければ散逸してしまうほどボロボロの状態だが、特別に許可を得て中身を見せてもらった。

 サイン帳は3冊あり、うち2冊は大正時代、1冊は1940年代以降のもの。いずれも500ページほどあり、厚さは約5センチ。主に英語で、年月日、名前、登山の回数とみられる数字がびっしりと記されている。

 「いつ、誰が、何回、山に登ったかを記録しています。毎日登山を続けている人は、現在も同じことをしていますよ」。同連盟副理事長の吉野宏さん(81)は話す。