ギネス世界記録の認定証を受け取る伊藤真波さん(右)=神戸市西区
ギネス世界記録の認定証を受け取る伊藤真波さん(右)=神戸市西区

 交通事故で失った片腕に義手を装着してバイオリンを弾く兵庫県伊丹市の伊藤真波さん(41)が「初の片腕肩義手バイオリニスト」としてギネス世界記録に認定された。元パラリンピック競泳の日本代表でも知られる。

 20歳の時にバイクの事故で右腕を失い、義手でリハビリを重ねて看護師になった。子どもの頃からバイオリンに親しむ中、神戸で入院中に出会った支援者らが演奏用の義手を製作した。

 ギネスワールドレコーズジャパンによると、義手を着けて人前でバイオリンを弾き続ける実績は前例がなく、公式に演奏活動を始めた2012年8月5日を達成日として認定した。

 今年11月、神戸市内で認定証が手渡され、伊藤さんは「私だけの力じゃない。背中を押してくれた人たちがいたからこそ」と感謝。専用義手の製作に携わった義肢装具士の浜本雄次さん(73)=明石市=は「いつも笑顔で努力する姿に、感動しかない」とたたえた。

 伊藤さんは15年まで神戸百年記念病院(神戸市兵庫区)に勤める傍ら、競泳選手としても活躍。パラ北京大会では100メートル平泳ぎ4位、ロンドン大会では同種目8位に。東京大会では開会式のパフォーマンスにバイオリン演奏で参加した。(岩崎昂志)