1970年に始まった労働争議をきっかけに設立され、兵庫県内を中心に小規模な労働組合などを支えてきた「平和台基金」(神戸市)が11月下旬、約40年の歴史に幕を下ろした。これまでに支援金を贈ったのは延べ59団体・個人。この半世紀で労働争議が減り、労使交渉の在り方も変わってきたが、メンバーは「派遣やパートなど立場の弱い労働者に関心を持ち続けてほしい」と訴えた。(高田康夫)
基金設立のきっかけは、同市長田区にあった小規模病院「平和台病院」での労働争議だ。
70年7月、労働組合を結成した看護師ら13人がストライキを決行した。求めたのは、看護師の増員や本給の増額、退職の自由を認めることなど19項目。
学費の借金制度で退職すら自由にできない中、厳しい長時間勤務や寮での私生活管理に苦しんだ。決死のストライキは「白衣の監獄」として注目され、全国から支援が寄せられた。






















