日本酒用の菰樽を手がける兵庫県尼崎市の老舗メーカー「岸本吉二商店」で、新春を祝う鏡開き用の樽や正月飾りの出荷が最盛期を迎えている。華やかなデザインの菰が、荷師と呼ばれる職人の手で樽に巻き付けられている。
尼崎は神戸・阪神間の灘五郷や伊丹といった酒どころに近く、船で輸送する際に酒を保護する菰樽造りが古くから盛んだった。
同社は1900(明治33)年創業。工場には奈良の吉野杉などで造られた樽の香りが漂う。師走は4人の荷師が中心となり、1日100個近くを完成させる。
堅く結んだ縄の模様が、亀甲に見えるなどハレの日を盛り上げる伝統の技が光る。荷師の横谷哲矢さん(33)は「間接的ではあるが、酒文化を守り継ぐ役目を果たせたら」と話した。
最大は直径60センチの四斗樽で、容量は18~72リットルまで調整できる。干支のミニ菰樽(300ミリリットル)は税込み2750円。岸本吉二商店TEL06・6421・4454
(小林良多)
























