市民や事業者からの暴力、暴言、理不尽な要求などの「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に対し、対応マニュアルを策定するなど対策を進める自治体が増えている。背景には、職員が長時間拘束されたり、暴行を受けたりするなど、深刻なケースがあり、内外に「職員を守る」というメッセージを発信している。
■「上司を呼べ!」
窓口で職員が、来庁者から延々と持論を繰り返される。
説明しても納得してくれない。
「おまえじゃ話にならん。上司を呼べ!」
長時間になったため、職員がこれ以上対応しないことを告げても帰らない。
退去を求めても従わないため、警察を呼んだ-。
神戸市役所で実際にあった出来事だという。
神戸市によると、来庁者らからのカスハラ行為はしばしば起きている。
最初は職員側のミスによる正当な苦情でも、交通費といった金銭を執拗(しつよう)に求めるなど、不当な要求に発展することもあるという。
11月18日、神戸市長田区の新長田合同庁舎で、市税務部の職員らを対象に、カスハラ対策を兼ねた防犯研修が催された。
窓口対応の職員は、不審者役の警察官に詰め寄られ、押し問答になった。
ナイフを取り出されたので、別の職員が110番した。
























