36年ぶりとなる2月の衆院選。寒波による大雪と入試シーズンが重なり、投票率低下や受験生への影響を心配する声が聞かれる。公約では、各党がそろって消費税の減税や廃止を掲げ、対立軸はかすむ。街頭で、駅で、交流サイト(SNS)で。有権者はどんな思いで候補者の訴えに耳を傾けたのか。
「何しろ間に合うかどうか。それが一番心配だった」。短期決戦だけに、高砂市では市内197カ所のポスター掲示板を設置できるかどうか危ぶまれたが、公示前日の26日に完了、市選挙管理委員会の澤田英明事務局長(55)は胸をなで下ろした。
ただ、休日返上で準備してきたものの、投票所入場券の発送はかなりずれ込む見込み。澤田事務局長は「前回以上に厳しい日程だがミスなく乗り切りたい」と気を引き締める。
寒波に襲われた豊岡市街では、27日も午後3時時点で平年の2倍を超える32センチの積雪があり、高齢者施設の職員が利用者の送迎や除雪に奔走した。
デイサービスセンターを運営する施設長(53)によると、利用者は70~100歳代で、期日前投票には家族らが仕事を休むなどして同行しなくてはならないという。2月8日の投開票日も積雪の可能性があり「普段でも投票に行けそうな人は全体の40~50%程度。雪の状況にもよるが、今回は10~20%くらいになるのでは」と懸念する。
選挙期間中の2月上旬は私立大学の入試も相次ぐ。
西宮市の男性(19)は、投開票日の8日が入試と重なる。「受験勉強は大詰め。でも選挙は絶対に行くと決めているので、期日前で投票する。将来の日本を良くしてくれる人を見極めたい」と話した。
円安や燃料費高騰による物価高が続く中で行われる今選挙。大半の政党が暮らしに直結する消費税の減税、廃止をそれぞれ訴える。
丹波市の柏原城下町で和菓子店を営む男性(43)は期待する一方、財政への影響が気がかりという。原料のもち米の仕入れ価格は1年間で1・5倍超に。減税されれば経営は少し楽になるが、それよりも「歴代政権は消費税は社会保障財源を確保するために必要だと主張してきたはず。減税で誰かにしわ寄せが及ぶのは納得できない。長期的な経済政策を見比べたい」と厳しい視線を注ぐ。
「孫の世代になった時に大丈夫なのか。財源を知りたい」。通りがかりに立候補者の街頭演説を聞いた神戸市垂水区の女性(68)は疑問を口にし「みんな減税を主張するなら、話し合って実現してくれたら早いのに。なぜ選挙で争う必要があるのか、意味がよく分からない」と戸惑った。(広畑千春、井原尚基、中川 恵、阿部江利)



















