かつてワインの生産が盛んだった神戸で、地元産ブドウを原料に醸造する動きが広がってきた。ワインに魅せられた飲食店オーナーやスーパーコンピューターの元広報責任者、灘五郷の清酒大手-。多彩な顔ぶれの新たな担い手たちがこだわりのワイン造りに挑み、「ワインの街」として存在感を高めつつある。(尾仲由莉)
■「生産」を感じるワインを
神戸市北区大沢町に今夏、ブドウ畑のそばに醸造所が誕生する。準備を進めているのは、同市中央区で飲食店やワインショップを営む宮本健司さん(54)だ。
宮本さんがワインに興味を持ったのは、世界を巡っていた約20年前。ヨーロッパでは、化学農薬を使わずに育てられたブドウを原料に、天然酵母だけで造るナチュラルワインという製法に戻る動きがあった。口に含むと「造られた背景がばーっと見えた」。均一に整えられた工業品ではなく、畑や農家などの「生産」を感じるワインを神戸でも-。そんな夢を描いた。























