神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 神戸市北区で2010年、高校2年の堤将太さん=当時(16)=が刺殺された事件を巡り、殺人罪で懲役18年の刑が確定した当時17歳の受刑者の男(33)に対し、遺族5人への損害賠償を命じた神戸地裁判決を不服として、原告の遺族側が控訴する方針を固めたことが26日、分かった。原告は男の両親の監督責任や長期間の逃亡による損害賠償を認めるよう求めたが、同判決はいずれも棄却していた。

 遺族5人は24年6月、男と両親に約1億4900万円の損害賠償を求め、提訴。今月19日の判決で島戸真裁判長は「事件の予見は困難だった」などとして両親の監督義務違反を否定した。さらに男の犯行を疑いながら事件翌々日に母子で神戸市から千葉県へ移った行動が「客観的には逃亡に寄与した」「(事件から)目を背けたことが検挙が遅くなった一因」と指摘しつつ、「犯行を確定的に認識していたとはいえない」と判断。男に約9640万円の賠償を命じた。

 判決後の会見で堤さんの父敏(さとし)さん(67)は「賠償金額の問題じゃない。取り返しの付かないことをしたと理解させるために(男の両親の)責任を認める判決がほしい」と語っていた。

 男は10年10月4日夜、同市北区筑紫が丘4の路上で、堤さんを折り畳み式ナイフで刺殺したとして、約11年後の21年8月に兵庫県警に逮捕された。23年6月に神戸地裁で懲役18年を言い渡され、25年10月、最高裁で確定した。