明治天皇の御用邸が神戸にあったことを伝える石碑=神戸市中央区東川崎町1
明治天皇の御用邸が神戸にあったことを伝える石碑=神戸市中央区東川崎町1

 1876(明治9)年7月、大阪駅から東に延びた線路は京都駅の約6キロ手前まで開通し、京都府内に初めて鉄道が走った。翌77年2月には京都駅までつながり、これにより神戸-京都間が全面開通。来年で開業150年となるこの路線は物流の在り方を変えるなど、さまざまな影響をもたらした。京都に先立ち74年、神戸-大阪間に西日本初の鉄道が走ったことはよく知られるが、識者らは「京阪神が結ばれたインパクトは大きく、日本の近代化が進む契機になった」と指摘する。(安福直剛)

 開国間もない69年、近代国家を目指していた日本で、鉄道の敷設に関する初の政府方針が決まった。東京-京都間を幹線として整備し、幹線から港に向けて三つの支線(東京-横浜、京都-神戸、琵琶湖北側-敦賀)を設けるという内容だった。

 5年後、西日本初となる鉄道が神戸-大阪間で開業。150周年を迎えた2024年には、神戸・阪神間など各地で記念行事が企画された。ただ、季刊誌「鉄道史料」編集委員の高橋健司さん(69)=西宮市=は「神戸-大阪間はあくまで支線の『部分開通』。物珍しさはあったと思いますが、式典などはありませんでした」と話す。

 一方、神戸-京都間の開通は、国の重要施策である鉄道路線の一つが完成したことを意味し、明治天皇臨席の下、京阪神の3都市で大々的に開業式典が催された。神戸では当時の駅(停車場)があった現在の神戸ハーバーランドが会場となり、各国公使や政府高官らが参列した。