兵庫県に寄贈された35キロの金塊(県提供)
兵庫県に寄贈された35キロの金塊(県提供)

 兵庫県は16日、匿名の個人から金塊35キロ(8億3374万円相当)の寄付を受けたと発表した。500グラムの延べ板70枚で、8日に正式に受け取った。今後売却で得た収入は、寄付者の意向に沿って地域振興施策に活用するとしている。

 「個人の特定につながる可能性がある」との理由で、県は寄付者について、居住地や兵庫県に寄付する理由などを公表していない。県地域振興課によると、2月に寄付の相談があり、7月に正式に申し入れがあった。やりとりの中で、財政難を考慮したとの言及は特になかったという。

 1億円以上の財産処分には県議会の議決が必要で、県は本年度中の売却を目指す。収入は基金に積み立て、複数年にわたっての活用を検討している。

 県財政課に記録がある2023年度以降では、個人からの寄付の最高額は約1億2500万円だった。斎藤元彦知事は16日の定例会見で「県財政が大変厳しい状況にある中、兵庫県の発展、県政の推進を思うご厚意に感謝を申し上げたい」と述べた。

 県は8月、新たな県債の発行に国の許可が必要な「起債許可団体」に移行し、投資的経費の削減などを盛り込んだ「公債費負担適正化計画」を策定。長期金利の上昇などで収支が悪化しており、26年度は129億円の収支不足になる見通し。(井上太郎)