日本勢最多タイの夏季五輪6大会に出場した水泳飛び込み界のレジェンド、寺内健さん(43)=宝塚市出身=が今月、現役を退いた。40歳を過ぎてもメダルに挑み続けた「鉄人」には、二人三脚で歩んだ恩師の存在があった。「コーチなくして今の自分はいない」。引退会見ではJSS宝塚の馬淵崇英(まぶちすうえい)コーチ(59)への感謝を繰り返した。(山本 晃)
寺内さんは小学5年で競泳から転向すると、すぐに本場・中国出身の馬淵コーチに才能を見込まれた。早速中国での約4カ月に及ぶ合宿で鍛えられ、その後も「明日のことも考えられない」ほどの特訓の日々。逃げ出さなかったのは「僕を強くさせようというコーチの情熱を感じたから」だ。