前半、鹿島・小池龍太(右)と競り合う神戸・大迫勇也=カシマスタジアム(撮影・吉澤敬太)
前半、鹿島・小池龍太(右)と競り合う神戸・大迫勇也=カシマスタジアム(撮影・吉澤敬太)

 明治安田J1リーグ第7節最終日の29日、ヴィッセル神戸は敵地カシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)で鹿島アントラーズと対戦し、0-1で敗れた。通算1勝3分け2敗で勝ち点6のまま。鹿島はホームで負けなしのJ1新記録を「27」に更新した。

 痛い判断ミスが命取りとなった。神戸は前半33分、相手GKのロングフィードに対し、守護神の前川が頭でクリアしようと前に飛び出すと、空中戦の競り合いで鹿島のレオセアラが先に胸トラップ。今季C大阪から加入したストライカーにがら空きのゴールへと押し込まれた。

 神戸が今季先制点を許すのは6戦中4度目。3連覇を狙う神戸に対し、J1で唯一3連覇の経験がある鹿島が立ちはだかった。前半、ロングボールは先読みされ、球際でも上回られて決定機をほぼつくれなかった。

 後半は残り30分で宮代と汰木(ゆるき)を投入。残り20分でともにデビュー戦となるグスタボクリスマンとカエターノ、さらに残り10分で全体練習に復帰したての酒井を投入した。追い付こうとなりふり構わぬ策で打開を図り、終盤にかけてチャンスを増やしたが、大迫が決定機で放ったシュートが枠を外れるなど、最後まで相手ゴールを割れなかった。

 開幕から連戦続きだった神戸は、中13日という今季初めての長い中断の間にけが人が続々復帰し、戦術の浸透を図るトレーニングを積んだ。井手口は「最初から最初まで全員で死に物狂いでやる」と言い、吉田監督は「勝つのと負けるのでは全然違う。チャレンジャーのつもりでぶつかる」と臨んだが、冬に逆戻りしたようないてつく寒さの中、厳しい敗戦。序盤戦で神戸は1試合少ないとはいえ、首位鹿島との勝ち点差は10に広がった。